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神奈川県公立高校入試2020 英語 分析

2020年2月14日(金)に行われた神奈川県公立高校入試。

本日はその日に行われた英語の入試問題分析を行います。

この記事で得られること
  • 今後の入試を攻略するためのヒント(中学生)
  • 今のうちにお子さんにどういう力を付けさせるべきかの視座(親御様)
  • 生徒指導の参考に(先生)

今後の入試を踏まえた、一つの気付きを皆様に与えられたら、と考えています。よろしくお願いいたします。

前年度の英語について

眼鏡の画像

さて、今年度の入試分析に入る前に・・・これまでの神奈川県の英語入試を合格者平均点から紐解いて見ていきます。

合格者平均点

前年度(過去7年間)の合格者平均点は以下のようになっています。

  • 2019年:49.8点
  • 2018年:56.1点
  • 2017年:51.9点
  • 2016年:43.0点
  • 2015年:51.8点
  • 2014年:59.6点
  • 2013年:54.8点

落差がありつつも、過去に比べると難化傾向です。

2019年で久しぶりに50点を下回った背景には長文問題の文字数増加が考えられます。設問に関しても(面倒くさい問題が増えたことで)難易度が上がっています。

英語アレルギー状態(英語の文字に拒否反応を示している状態)で神奈川県の公立高校入試に挑むと、かなり致命的です。

設問の配点

問1~問8まである構成です。それぞれの内訳と点数が以下の通り。

  • 問1:リスニング(7問、21点)
  • 問2:単語記述(4問、6点)
  • 問3:適語選択(4問、12点)
  • 問4:並べ替え(4問、16点)
  • 問5:英作文(1問、5点)
  • 問6:スピーチ原稿文(3問、15点)
  • 問7:短文読解(2問、10点)
  • 問8:会話文(3問、15点)

2018年からこの形式で、先にネタバレすると、今年度もこの設問形式は変わらずでした。

神奈川県の長文は1問の配点が5点と大きいので、長文先行で勉強しちゃう人、または長文先行で教えちゃう先生がたくさんいるんですけど、ぶっちゃけ長文やる前に文法(問2~問5)をまずはしっかり固めるべきです。

  • 長文問題やる
  • 文法後回しにする
  • 適当にリスニングする

この勉強の仕方は悪手です。正しくは、

  • 文法を徹底的に叩き込む
  • 長文問題に取り掛かる(最初は遅くても、文構造を理解しながらやれば早くなっていく)
  • リスニングに取り組む

一問の配点が大きいからと、長文ばかりに手を出してはいけませんよ・w・

今年度入試英語の設問別分析

ペンと消しゴムと紙の絵

さて、ここから2020年の英語入試の分析をスタートします。

設問別とは言いましたが、リスニングはカットします。(まだ聞けていないので…)

問2:単語記述

まとまった英会話文を読んで、空欄に当てはまる単語を答えさせる問題。

昨年はborn、example、continueの単語を記述させました。それぞれの正答率は52.7%、62.3%、14.2%でした。

今回はafraid、strongest、voiceの単語を記述させました。

前後の文にsoとbecauseという因果関係を表す接続詞が使われているので、そこをヒントにすればOK。

strongestの部分は、まず最上級に気付いているかがポイント。空所後のof all the animalsが頼りになる。

mostが穴埋めの前に無いということは、9文字中-estの3文字が入るので、6文字の形容詞or副詞を引っ張り出せばOK。

余談ですが、僕が比較の最上級を指導する際に、moreかmostが前に来る特殊系の覚え方は以下で統一してます。

いっさ

6文字以上の単語はほぼmoreとmostが付くけど、strongとpretty以外は例外やぞ。この2つだけ、ゴメンやけど覚えといて!

これを理解していた生徒は、strongを選べた印象です。

6文字でestが付くものはstrongとprettyしか教えていませんからね。

voiceは聞き馴染みのある単語ですが、実際に書ける生徒は中学生ではあまりいないかもな、と予想。

問3:適語選択

空所に当てはまる答えを4択で選ぶ問題です。

前回の正答率は上から順番に54.9%、88.6%、44.7%、55.1%でした。

意外と正答率が低いところが、文法問題をしっかり理解させて上げれていない先生が多いのかもしれない、という一種の危惧を感じています。

今回の問題は以下の文法が使われました。

  • (ア):be動詞(?)
  • (イ):受動態と能動態の区別
  • (ウ):「話す」型の動詞用法
  • (エ):関係代名詞

(ア)の問題だけ、「…何問題?」という感じですが、be動詞をちゃんと理解していて、4択の単語もちゃんと理解していれば答えられます。

ちなみに、選択肢にあったyoursですが…中1に多いんですけど、これを複数形と勘違いしている人が割といるんですよね。

中1からこの辺りしっかり仕込んでおく必要はあります。

(イ)も(ウ)も(エ)も典型的な問題ですね。これは解けてほしい。導入授業後の問題演習にも使えると思います。捻りは一切なし。

今回はさすがに去年よりは正答率高い気がします。

問4:並べ替え

6単語から5単語を選び、並べ替えさせる問題です。

昨年は63.7%、56.5%、24.1%、27.0%の正答率。

(ア)はone of 複数形の問題。間違って単数形を選ばないように…。ofという前置詞の攻略が必要。

けど、ほとんどの神奈川県塾講師の方々が昨年度を見て、ofはしっかり対策しているとは思います。

(イ)はbeforeを前置詞として使えれば問題なく正解できるはず。

(ウ)はdecideという単語の後にtoを置きたがる心理が働くいやらしい問題ですね…。

(エ)が一番難しかったかもしれません。前置詞withのイメージを正しく掴めているかを問う問題でした。

神奈川県は去年もそうでしたが、前置詞の問い直しを随所に散りばめていますね。

ofを「~の」と訳す人、withを「~と一緒に」と訳す人に向けた警告のように受け取れます。この辺りは受験生含め、我々も「楽な覚え方・教え方」に逃げない姿勢を貫き通さないといけません。

問5:英作文

絵と文章を見て、空所に英文を作文する問題。ただし、条件(〇単語以上、××の単語を必ず使うなど)あり。

昨年の正答率は14.9%と非常に低い問題です

今回はWhat music do you listen to(when you want to relax?)を答えさせる問題。

中1~中2でも間違える人がたくさんいますが、「何の色が好きですか?」という日本語を英語に直すとき、”What do you like color?”とする人が多いです。

「What + 名詞」でひとつの塊の疑問詞を理解するためには、そもそも中1で勉強した疑問詞の理解が不可欠

僕の生徒ではほとんどの子がWhat music、もしくはWhat kind of musicにできているのですが、listen toのtoを抜かして書く子が上位層にもいました…。

この辺りは僕個人の反省です。

 

ちなみに、問2~問5までの時間配分は10分です。問2で2分、問3で1分、問4で3分、問5で2~3分が最低掛けても良い時間の目安です。

この部分をスピーディ、かつ正確に答えることで、その後の長文に活きてきます。

問6:スピーチ原稿文

スピーチの原稿文を読み、設問に答える読解問題です。表やグラフなんかもモリモリ出てきます。

基本的に前後の文章を読んで論理的な文を空所に入れる空所補充問題、全体の内容に合う英文を選ぶ正誤判定問題が必ず出てくるのが神奈川県の特徴です。

去年の正答率は60.6%、62.9%、48.2%。文法に比べると割と正答率が高いのは、恐らく長文から解かせようとする人が多いからでしょうね。

僕はその辺りは模試で試行錯誤して自分の合う順番に解くで良いよ、と指導しています。ただし、問6の長文は10分を目安にしており、これは全員に守らせてきました。

長文のテーマは「プラスチックのゴミを減らす地球環境問題」についてのスピーチ原稿問題。内容的にはありがちだし、生徒も馴染みがあったかと思います。

去年もありましたが、特に顕著になってきたのが(イ)の問題ですね。まとまった段落の英文を丁寧に読んでいかないと正解できません。

10分で全体を読むためには、英文をスムーズに読解できるだけのスピード力が必要です。

問7:短文読解

地図・価格表を活用し、会話文を読解していく問題。地図の行き先や買った値段を求める問題が今回は出題されました。

昨年の正答率は68.2%、62.8%とこちらも高め。5択問題なので、当てずっぽうでこれだけの正答率は叩き出せないでしょう。

ここの問題は術中にはまらなければ割と確実に解けます。時間は5分で解けるように、受験生はトレーニングを積んでおいてください。

今回も目立って難しい問題はありませんでした。

問8:会話文

3~4人程度の人の会話文を読んで、問題に答えていく読解問題。問6~問8の問題を30分以内に確実に読み解ける力を付けられると上位層の仲間入りと言えるでしょうか。

昨年の正答率は、54.6%、46.5%、29.0%でした。

最後の問題の正答率が低いのは、内容的に難しいのもありますが、時間が足りなくて解けなかった子が多いのも一つの要因だと予想しています。

今回のテーマは「ディスカッションで役立つ付箋の使い方」と言えば宜しいでしょうか…?とにかく、中学生にはあまりにも馴染みが無かった問題と言えそうです。

昨年に比べて、今年は目に見えて文量が減りました。昨年は3ページ分に渡って文章が続いていましたが、今回は2ページに、しかもキレイに収まっています。

これは受験生からしたら、とてもありがたいですね。とても解きやすかったんじゃないかな、と思います。

ただし、文章テーマは馴染みがない分、少し手こずった子もいたかな、という印象です。

特出すべきは問8の(イ)です。問6の(イ)同様に、まとまった英文を丁寧に読み下していかないといけません。

ここでも、やはりスピーディに読解していく力が要求されます。

全体の総評

勉強している男性の絵

昨年の合格者平均が49.8点でしたが、今回も同じくらいだと予想できます。難易度は昨年と変わらずです。

昨年のデータで興味深いものがあるのでご紹介しますと、去年の英語入試で一番得点分布が高かったのは、10点刻みで何点~何点の間だと思いますか?

49.8点が平均なので、その辺りと予想できると思います。

けど、実際は1番多いところで21~30点が15.8%。

続いて、2番目が31~40点で14.4%、

次に、3番目が41~50点が11.7%と続きます。

それでも、平均が49.8点と真ん中あたりということは、上位層は80点以上を安定して取れるからです。

そして、英語は積み重ねの学問です。

中1の基礎が分かっていないと、中2の内容は絶対に理解できません。

中3で後れを取り戻そうと思っても、そう簡単に取り戻すことはできません。5科目受験なので、英語だけ必死こいて勉強するわけにもいかないでしょう。

故に、中1~中2の文法内容というのは、本当にとっても大事なのです。

【最後に】これから受験生となる人へ

勉強している女性の絵

とにかく、英語と数学はやっておけ。

これだけです。

でないと、受験するときに相当苦労します。

大人でも、中学の文法が理解できず、TOEICや英検の民間試験で手を焼いている人を、僕はたくさん知っています。彼らも苦労しています。

どこまで言っても、中学の文法は付きまとってくるわけです。

すでに英語が嫌いな人へ、英語は「パズルゲーム」と一緒です。

単語というパズルピースを集め・・・

文法というテクニックを学び・・・

リスニング&リーディングという練習を積み重ねてゲーム攻略スピードを上げていくゲームです。

やることはとってもシンプルです。

とにかく英語攻略には「継続」が鍵ですので、中1~中2の人はぜひ今の英語を疎かにせずに取り組んでほしいと思います。

英語の勉強の仕方も、当ブログで随時公開予定です。

当ブログにお越しくださった皆さん、ありがとうございます。

何かの気付きを提供できたなら幸いです。